2012年12月8日土曜日 | By: 毅山

律詩 琵琶湖上の作 室鳩巣

早いもので、今年も今月で終わりですね。

詩吟の教室も、来週の納会で最後となります。

その納会にて、各個人で吟じる律詩をやりましたが、調子が良かったのは2回目までで、普段絶句しかやっていない軟弱な喉には相当キツく、最後はヘトヘトになってしましました。

まだまだ地声に頼りすぎているなぁ~と、自覚しました。


【琵琶湖上の作 室鳩巣(むろきゅうそう)】

琵琶湖上(びわこじょう)水(みず)空(そら)に連(つら)なる
万里(ばんり)虚無(きょむ)目撃(もくげき)の中(うち)

畳波(じょうは)天(てん)を涵(ひた)して迭(たが)いに高下(こうげ)し
郡山(ぐんざん)地(ち)を分(わか)って各(おのおの)西東(さいとう)

孤村(こそん)の遠樹(えんじゅ)図画(とが)迷(まよ)い
百尺(ひゃくしゃく)の長橋(ちょうきょう)彩虹(さいこう)飛(と)ぶ

独(ひと)り覚(おぼ)ゆ芳州(ほうしゅう)の逸興(いっきょう)を生(しょう)ずるを
知(し)らず此(こ)の意(こころ)幾人(いくにん)か同(おな)じき


毅山
2012年11月24日土曜日 | By: 毅山

吟声 発声方法 005 母音「あ」

母音の「あ」ですが、他の母音と比べて個人差が大きいように感じています。

口の開け方と舌の位置の差が、大きくなりやすいのが原因でしょうか。

普段話しているまま「あ」を発声すると、あまり響かない声になってしまいますが、この時口の開き方はあまり大きくは無いと思います。
また、舌の位置も、舌先が前歯の裏に着くか着かないか位の位置で、舌自体にも力が入っていないのではないでしょうか?

口を大きく開けすぎると、喉が狭まってしまいます。
狭すぎても響きが抑えられてしまいます。

ここで、いくつかの開き方で発声した声を録音し、どの開き方が明瞭な発生で声もすっきりと響いて聞こえるかをチェックしてみてください。

次に、舌の位置ですが、後ろに引き過ぎると喉を圧迫してしまいます。普段の発生の時の位置で若干下側に押し付けるイメージで発声してみてください。

また、どの母音の時でも言える事ですが、唇が歯に被さり過ぎると、声が篭って聞こえてしまいますので、ここも注意が必要です。

最後に、「あ」の発声の場合は、正に自分の首から上をトランペットになった様なイメージで、力み過ぎず声帯からの響きを、口だけではなく鼻の奥等顔全体で共鳴させて下さい。

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多摩岳精会 毅山

2012年11月15日木曜日 | By: 毅山

節調 山の節回し 001

今回は、詩吟の節調についてですが

先ずは、正しい音程で発声する事が重要です。
音程が外れない様に、しっかりとコンダクターの音を聞いて発声してください。
コンダクターを持っていない方は、webコンダクター(明智君)←こちらをクリック

節調の中の「こぶし」を入れたい場合は、意識して練習しないと、中々出来る様
にはならないです。

また、自分好みの吟者の節調を、良く聞いてまねをする事から、自分の節調が
出来上がってくると思います。

節調のサンプルとして、「胡隠君を尋ぬ 高啓」の起句より

「水を渡り 復 水を渡り」 の節調で「山」部分の「水を」について

音程は

1.「こぶし」・「あたり」を、入れないパターン(視聴はこちら


2.「こぶし」を後半に入れたパターン(視聴はこちら


3.「こぶし」・「あたり」を、入れたパターン(視聴はこちら

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2012年11月11日日曜日 | By: 毅山

2012年11月10日(土) 早稲田大学 稲吟会

早稲田大学 稲吟会 「平成24年度 学内吟詠発表大会」 に行ってきました。

受付で、我らが家吉副幹事長が、稲吟会の木嶋幹事長にご挨拶し、我々青年部一同も今回のお礼をした後、会場へと案内して頂きました。

今回は、岳精流日本吟院青年部としてお邪魔させていただきましたが、私は毎年いくつかの大会で舞台係をやらせて頂いているので、今回のライブハウスの様な雰囲気は新鮮で、準備中の舞台裏も覗かせて頂きました。

噂では聞いておりましたが、伴奏なしの学生の吟は、初々しくも元気一杯でした。

■プログラム
【第一部】
 川中島 頼山陽
 富士山 石川丈山
 和歌 東海の 石川啄木
 壁に題す 釈月性
 大楠公 徳川斉昭
【第二部】
 式典、祝辞、賛助吟詠、師範吟詠
【第三部】
 爾霊山 乃木希典
 家兄に寄せて志を言う 広瀬武夫
 静夜思 李白
 春暁 孟浩然
 本能寺 頼山陽 
【第四部】
 金州城 乃木希典
 日本刀を詠ず 徳川光圀
 和歌 淡路島 源兼昌
 歌謡吟 白虎隊 (作詞 島田磬也 作曲 古賀政男)
【第五部】
 早稲田大学稲吟会 会詩

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吟声 発声方法 004 母音「ん」

母音の「ん」ですが、他の母音と比べて極端に小さい声になってしまう方がいます。

先ずは、口の中を全て閉じてしまって、「ん」を発声すると、線の細い「ん」になってしまいます。

次に、鼻の穴を広げ口の中も少し空間を作る感じで、鼻の付け根が響く感覚を確認してみてください。
先ほどよりも、太く響いた「ん」になったと思います。

声帯からの響きを、鼻から眉間の辺りで受け止め、思いっきり響かせてみましょう。

また、「ん」の発声では、地声と裏声がミックスされる感覚もつかめますので、他の母音で高音時に地声だけで苦しくなってしまう方には、地声と裏声のミックスによる高音は凄く助かると思います。


次回は、『吟声 発声方法 005 母音「あ」』です。


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2012年11月10日土曜日 | By: 毅山

客中の作 李白

今、練習している吟題です。
第41回全国少壮吟詠家審査コンクール指定吟題にも入っています。

まだまだ、理想とは程遠いのですが、後で聞いてみて今の吟をどう感じるのか
楽しみでもあります。

客中の作 李白

蘭陵(らんりょう)の美酒(びしゅ)鬱金(うっこん)香(こう)
玉椀(ぎょくわん)盛(も)り来(きた)る琥珀(こはく)の光(ひかり)
但(ただ)主人(しゅじん)をして 能(よ)く客(かく)を酔(よ)わしめば
知(し)らず何(いず)れの処(ところ)か 是(こ)れ他郷(たきょう)


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2012年11月2日金曜日 | By: 毅山

寒梅 新島襄

日本クラウン全国吟詠コンクール関東大会

9月9日(日) 第二会場 市川市市民会館にて、日本クラウン全国吟詠コンクール関東大会が行われ、参加してきました。

結果は、何とか決勝大会進出!と言う事で、今まで歌い込んできた吟題「寒梅」(新島襄 作)に別れを告げ、新たな吟題「胡隠君を尋ぬ」(高啓 作)を、1ヶ月の間に歌い込まなければ!との決意を心に秘め、会場を後にしたのです。

最終予選で吟じた「寒梅」です。





寒 梅 (新島襄 作)

起句 庭上(ていじょう)の 一(いち) 寒梅(かんばい)
承句 笑(わら)って 風雪(ふうせつ)を 侵(おか)して 開(ひら)く
転句 争(あらそ)わず 又(また) 力(つと)めず
結句 自(おのずか)ら 百花(ひゃっか)の 魁(さきがけ)を 占(し)む

通 釈
庭先の一本の梅の木、寒梅とでも呼ぼうか
風に耐え、雪を忍び
笑っているかの様に、平然と咲いている
別に、争って、無理に一番咲きを競って
努力したのでもなく
自然にあらゆる花のさきがけとなったのである
まことに謙虚な姿で、人間もこうありたいものだ


新島襄(1143-1890)
明治時代の宗教家、教育者。京都にキリスト教主義の同志社を創立、西欧文化の普及に貢献した。天保十四年正月、上州安中藩板倉家の江戸一つ橋邸で生まれる。幼時から漢学を修め、藩主の命で、杉田玄白について、蘭学を学んだ。十六才の時海軍伝習所にはいる。二十二才の時、上海に密航、後にアメリカへ渡った。その後、ボストンのアマースト大学に入学、更に、アンドヴァー神学校に学んだ
明治四年、訪米大使、岩倉具視の案内役として欧州に同行。門下に徳富蘆花・浮田和民
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吟声 発声方法 003 母音2

母音が、節調の途中で変わってしまっている場合があります。

本人は分からない場合が多く、録音して聞いてみると、母音の「い」が途中から「う」に聞こえるとか、節調の途中から籠った声になってしまう等です

原因としては、『口の形』が発声の途中で変わってしまっている事が考えられます。
節調の節回しで、唇の力の入れ方や、口の開き方、下の位置・形等で、聞いてる方からは気になる位変化してしまうのです。

母音の発声時には
1.唇を開き気味にする
2.「あいうえお」がハッキリ発声出来る口の形で固定する
  但し、口を開きすぎない
3.節調の途中で顎は動かさない
4.「あいうえお」どの母音でも、縦の楕円を意識して口を開ける
  *これは、ある有名な発声法の先生に頂いたヒントです。

もっと分かりやすい表現があれば、ご指摘頂ければと思います。

次回は、『吟声 発声方法 004 母音「ん」』です。

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2012年10月28日日曜日 | By: 毅山

吟声 発声方法 002 母音1

今回は、母音全般について

普通の会話では、ほとんど意識する事なく発声される『あ い う え お』の母音ですが、詩吟の場合、詩文の素読からこの母音での節調で、詩情を表現する必要があります。

何も考えずに、普段の発声のまま、あーーーーと、声を出すのと、しっかり音程を維持させながら、共鳴させて響かせた声は、明らかな違いが出てきます。

母音の発生では、ただ大きな声を出すのではなく、しっかりと安定した音程で共鳴させる必要があり、その為には声に支えが必要と言われます。

この『声の支え』こそが、腹式呼吸であり、口の中の形であり、喉の開き方であり、上半身のリラックスであったりと、幾つもの条件が重なって作り上げられ、その結果として『吟声』となるのだと思います。

次は、『吟声 発声方法 003 母音2』です。

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吟声 発声方法 001

詩吟を習われている方は、先生から発生について教えて頂いていると思います。

・ 声に響きが無い
・ 声がこもっている
・ 母音の音が変化いている
・ 声にハリが無い
・ 声に艶が無い
・ 声が絞り出せていない

普段ご指導頂いている中で、代表的なのが上記の様なコメントです。

また、子音から母音、無声音、声の強弱等、詩吟を吟ずる上で日本語を綺麗に発音・発声する為には、細かい点に気をつけなければなりません。

これから、何回かに分けて『吟声 発声方法』について考えて行きたいと思います。

次回は、「吟声 発声方法 002 母音1」です。

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2012年10月27日土曜日 | By: 毅山

準師範試験に向けて

来月、準師範の試験があり、自分が詩吟を自分以外の人に教えると言う事について
考える機会を頂いています。

今まで、自分の事だけで良かったのですが、準でも師範が付き「教える」と言う事は
中途半端な心構えではいけないと、せめて課題でもある基本項目について、改めて
勉強しています。

普通の生活をしていては、夜は酒飲んでテレビ見て・・・たまにカラオケ?とか行って
るのかもしれないけど、この年にして人に教える為の勉強するなんて、仕事以外では
中々体験できない経験をさせていただいている事に感謝しています。

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2012年10月22日月曜日 | By: 毅山

平成24年10月21日 第41回 日本クラウン全国吟詠コンクール決戦大会行ってきました


日本クラウン全国吟詠コンクール決戦大会行ってきました

昨日、日本クラウン全国吟詠コンクール決戦大会ですが、思っていたより出来ていたつもりが、後で録音した自分の吟を聞いてみて、愕然とするくらい悲惨な吟でした^^;

いやー、中々思うようには行きません。

一歩一歩ですね。


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2012年10月20日土曜日 | By: 毅山

初めての日本クラウン全国吟詠コンクール決戦大会出場

平成24年10月21日(日)日本クラウン全国吟詠コンクール決戦大会に出場する事になりました。

いよいよ明日に迫った大会ですが、今回は「無心」を心がけ、リラックスして望みたいと思います。

体調もまずまずなので、悔いの残らぬ様頑張ります。


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